はじめの一歩

いじめられっ子が努力し、強くなり、最終的にはチャンピオンになるというボクシングを背景に描かれたのが「はじめの一歩」です。はじめの一歩は最初は漫画で人気を集めましたが、後にアニメ化もされ、発売開始から長い時間ががたっているにも関わらず幅広い世代から人気を集めている作品となっております。いじめられていた幕之内一歩が鷹村守と運命の出会いをし、そこから様々な困難を乗り越えて日本の頂点にたち、世界を目指していくというストーリーですが、ここではそんな「アニメ・はじめの一歩」から私が学んだことと感じたことを感想を踏まえながら紹介します。

まず、このストーリーには数々の名言があります。例えば鷹村の「やぶれかぶれで生き残れるほど世界は甘くねぇ。」「貴様はどこに行きてぇーんだ?」「何を目指してんだ?」「格下の練習量と比べて満足してんじゃねーぞ」と東洋タイトルマッチに挑もうとする、いう後輩である天才・宮田一郎に言った言葉です。宮田はこれまで、圧倒的な人と一緒に練習をするという、経験をしたことが無かった為に、少し自身の力を過信していました。いわゆる「自分はすごい」と自信過剰にテングになっていたのです。そんな時に世界の鷹村が彼に言ったこの台詞からは「現状に満足するのではなく、さらに上を目指すために努力をすること」「切磋琢磨する相手のレベルが高くないと自分も高いところまではいけない」ということが描写されていると感じ、これを見たとき、単純だけど「なるほど」と思いました。

これは私たちが生活する社会や日常生活でもいえることだと思います。私自身も以前、これらの言葉に見事重なる瞬間を感じたことがあります。

私は学生時代に陸上部に所属して日々汗を流していました。そんな陸上部時代の話なのですが、「手っ取り早く練習せずにタイムを伸ばす方法がある」と聞きました。それは「自分よりも速い人と一緒に走る」ということだと知りました。先輩に教えられたのですが、それを私はひたすら実践しました。自分よりも速い人と走る事で、体がその人についていこうとして、思わぬ力が出る場合があります。そして、仮に追い越せなくても、ひたすら後を走り追いつこうとすると自然に気づいたときにはタイムが伸びているという経験をしました。

先ほど上述したこれらの鷹村のセリフと重なると思います。「格下の練習量と比べて満足してんじゃねーぞ。」というのは、「自分よりもレベルの低い人と比べて慢心するな」という意味でだと思います。

上には上がたくさんいるので、満足せず常に上を目指していくために背中を押してくれる言葉です。常に自分よりもレベルの高い人と関わりあっていくうち、自分のレベルも引き上げられるというわけです。「自分の現在のレベルはどれほどのものなのか」、ということに向き合い一度考えてみて、
自分よりもレベルの高い人から指導を受けることがいいと思いました。

そして、「貴様はどこに行きてぇーんだ?何を目指してんだ?やぶれかぶれで生き残れるほど世界は甘くねぇ。」というのは、自分の目指すべき目標を明確にしろということを言っているのだと思います。明確な目標設定をすれば、その目標に向かってどうすればたどり着けるのか、なにが必要なのかがを考えて悩み、そして方法が次第に分かってきます。そうでないと、一番大事な芯の部分が軸がぶれて成功から遠ざかっていってしまうし、いつまでたってもうまくいきません。

どんな世界であっても運だけで生き残れなのは確実なので、そうした目標設定やすべき事を洗い出し、自分が向かうべき方向を、改めて意識することが大事だと思いました。

このストーリーでは世界チャンピオンになった鷹村が「俺は強い」という言動があってもそうすることで自らを鼓舞しさらに高い目標を設定し、それに向かって精一杯努力をしていくということが描かれています。「ボクシングには嘘はつきたくねぇ」というボクシングに対する熱い想いを持っていることが感じられるこの台詞からも「自分のやることに信念を持っている」というのが感じ取れます。これは仕事であれ趣味であれ、どんなことでも情熱をもってとりくまないとうまくいくものもうまくいかない、よいうことだと思います。

実際にこれは社会でもいえることだと思います。例えば「昇進したい」「出世したい」と思っていても何もしないで出世できるわけではありません。自分のレベルを見直し、どうすべきかを見直し、自分のレベルより少し高い目標設定をして進んでいくのが一番の近道だと思います。

学ぶことが本当に多いこの作品は多くの人に見てもらいたいです。就職活動や受験前の学生、そして仕事に対して悩んでいる社会人には是非見てもらいたいおすすめ作品です。